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糸魚川ユネスコ世界ジオパーク&立山黒部ジオパーク

昨年に引き続き、一般社団法人 全国住宅技術品質協会主催の『地形地質体験学習会』に参加してきました。
初日は糸魚川ユネスコ世界ジオパーク(新潟県)
二日目は立山黒部ジオパーク(富山県)
5月10日(土)~11日(日)の1泊2日で北陸地方を巡ってきました。
始めに『フォッサマグナ』とは正確に答えられる人は少ないのではないのかと思います。
なんか昔…学校で聞いたような…と思っている人は多いと思います。フォッサマグナとは西側を糸魚川-静岡構造線、東側は柏崎-千葉構造線を結ぶラインで区切られた周りの地面よりも少し低く、溝のように落ち込んだ範囲のことを指し、大地溝帯とも訳されています。尚、明確な東縁を示す境界線はまだ発見されていないそうです。
初日はフォッサマグナの西端である糸魚川-静岡構造線についてガイドの案内のもと巡ってまいりました。
主に巡ったスポットの紹介をしていきます。
◆フォッサマグナミュージアム
糸魚川は、岩石の種類が豊富でジオ(地質)資源に恵まれた地域であり、鉱物・岩石・化石と日本列島の成立ちが分かる博物館です。
日本の『国石』でもある『翡翠(ヒスイ)』を数多く展示しており、他にも日本や世界の様々な鉱物が展示しています。
ちなみに糸魚川市に「糸魚川」という川はないそうです。
◆フォッサマグナパーク
日本列島を西日本と東日本に分ける境界線は、主に糸魚川-静岡構造線とされており、
この大断層の露頭(天然記念物)を見ることができる屋外の施設となっています。
西側がユーラシアプレート 東側が北アメリカプレートとなっており、間が糸魚川-静岡構造線(断層)となっています。
西日本と東日本の境界線とも言われています。
また、パーク内には安山岩・玄武岩や枕状溶岩を見ることができます。
周遊コース内の渡辺酒造では断層上に敷地があり、敷地内東西の井戸より水の飲み比べを体験することができます。
味の違いがあるそうですが…正直わからなかった…
二日目は富山県に移りまして立山黒部ジオパークを巡ってきました。
立山黒部ジオパークは、深海1000mと北アルプス3000m級の高低差4000mをテーマにしています。
海岸からわずか50 ㎞には3000m級の連峰があります。そのため、富山県には日本でも屈指の急流河川があります。
その流域に住む人々は、河川との戦いを余儀なくされてきました。
今回のツアーでは、常願寺川と神通川を巡り地球活動の痕跡やそこに育まれた
文化・歴史などをガイドの案内の下、巡ってきました。
◆立山カルデラ防災博物館
博物館では立山カルデラの成立ちや安政の大災害 それらに伴う河川の砂防について映像を交えて見学することができる施設となっています。
また、立山連峰にある「内蔵助(くらのすけ)氷河」も展示しています。
◆悪城の壁(あくしろのかべ)
称名滝に向かう途中にある悪城の壁は約10万年前以後の噴火で流れ出た火山砕屑物(溶結凝灰岩)によって造られており、
雪食作用や称名川などの影響により形成された岩壁(一枚岩)を見ることができます。
展望台もあり景勝地となっています。
◆称名平休憩所
弥陀ヶ原(みだがはら)台地から流れ落ちる落差350mの日本一を誇る称名滝(しょうみょうだき)を一望することができるスポットです。
写真中央の滝はハンノキ滝であり、ガイドさんによると称名滝より落差が大きいのですが、水の量によって出現したり消えたりするため、
日本一ではないそうです。こんなに水量が多いのは初めて見たと仰ってました。
予定では、称名滝の滝壺付近にある滝見台園地にて昼食の予定でしたが・・・
今年は積雪量が多く、雪解け水による雪崩や落石などの影響により道路が通行止めとなってしまっていたので、残念ながら滝見台園地には行くことが出来なかったです。これら以外にも本宮堰堤(ほんぐうえんてい)や推定400 トンの巨石がある西大森の大転石・呉羽山展望台での礫層の露頭など多くのスポットを見学することができました。
最後に富山といえば富山ブラックということで、富山駅にある西町大喜の富山ブラックラーメンをすすって帰路につきました。
見た目通り味が濃いので血圧が上がりそうです。
今回の地形地質体験学習会では北陸地方の2つのジオパークを駆け足でしたが巡ることができました。他にも立山連峰の眺望スポットも多くあり ヒスイ海岸での翡翠探しなど、それぞれのジオパークでは季節によりさまざまなモデルコースがあるので、時間があれば温泉や富山湾のカニやホタルイカを堪能しつつ興味がある方は一度、訪れてみてはいかがでしょうか。
技術部 土井 雄一