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島根半島・宍道湖中海ジオパーク

5月22日(金)~23日(土)の1泊2日で、
一般社団法人 全国住宅技術品質協会主催の『地形地質体験学習会』に参加してきました。
今年は、島根半島・宍道湖中海ジオパークを巡りました。
島根半島は島根県北東部に位置し、北は日本海、南は宍道湖と中海に囲まれた半島で、大規模な地殻変動を経ているため様々な岩石や躍動的な断層・褶曲が形成されています。
島根半島は『出雲国風土記』の冒頭に書かれている『国引き神話』の舞台であり、風土記で神様が陸塊を綱で引く様子は島根半島が出現した地球科学のプレート運動に似ているとされています。
宍道湖と中海は島根半島の南の窪地にできた汽水湖で、現在の形状は、約2万年前の最終氷期以降の海面の上昇と斐伊川からの土砂の搬出によって形成されたとされています。
海水と淡水が交わる汽水湖では多様性に富んだ生態系が形成されており、中でもヤマトシジミの一大産地として知られています。
主に巡ったスポットを紹介していきます。
1日目
〇多古の石柱、多古の七ツ穴



島根半島最北端の沖泊地域では、日本海に面した海食崖に海底火山によって噴出した玄武岩溶岩・安山岩溶岩が分布しています。
多古の石柱もこのような溶岩で、複雑に流れた玄武岩溶岩の中で板状節理の発達した水平部分が取り残されて石柱となりました。石柱の見る角度によって、天を仰ぐ女性の横顔に見えることから『天女の嘆き岩』とも言われています。石柱の近くには海岸侵食によってできた洞門(弁慶の潮かき穴)も見られます。

石柱から東にある高さ50mほどの海食崖には、海食洞が大小合わせて9箇所ほど連続して並び、海上正面から7箇所の海食洞が見えるところから『多古の七ツ穴』と呼ばれています。国の特別天然記念物に指定されており、遊覧船に乗って内部を見ることができますが、当日は天候不良の為、遊覧船は欠航になりました。
〇桂島



桂島は海底に噴出した安山岩~流紋岩の溶岩から成る島で、溶岩の冷却・収縮によってできた節理が多く発達しています。
岩石の空洞や節理の隙間には熱水が流れ、それが冷えて沈殿した瑪瑙(めのう)がみられます。
〇めのう採掘穴


宍道湖の南東に位置する花仙山は安山岩溶岩でできており、瑪瑙は安山岩中に脈として入っています。
花仙山にある瑪瑙には碧玉(へきぎょく)も含まれており、弥生時代から平安時代にかけて勾玉・菅玉の材料として、明治時代以降は装飾品や置物の材料として用いられ、昭和50年代まで採掘が行われていました。
採掘穴は当時のまま保存されており、中に入ると瑪瑙の脈を診ることができます。
2日目
〇出雲大社




出雲大社は『大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)』を主祭神とする神社で、創建については古事記・日本書紀・出雲国風土記等に伝承が語られており、伝承の内容は書物によって様々です。
古代より杵築大社(きずきたいしゃ)と呼ばれていましたが、明治4年から『出雲大社』と呼ばれるようになりました。
〇稲佐の浜


出雲大社の西方にある海岸で、国引き神話ゆかりのスポットです。
弁天島という小さな島があり、岩上には豊玉姫命(とよたまひめのみこと)を祀る小さな祠があります。
〇大根島(竜渓洞)
大根島は中海にある島で。約20万年前に火山の噴火によってできた島です。
粘性の低い玄武岩溶岩によって勾配の緩やかな山体を成しています。
島内には幽鬼洞と竜渓洞と呼ばれる溶岩洞が残っており、前者は特別天然記念物、後者は天然記念物に指定されています。
今回は竜渓洞の中を見学することができました。




竜渓洞は昭和8年に道路工事の際に偶然発見され、昭和10年6月に天然記念物に指定されました。
中の形状を竜神様の住処になぞらえて竜渓洞と名付けられたそうです。
岩肌には溶岩流出の跡が直線あるいは渦巻状に残っています。
また、世界的にも珍しい洞窟性の生物が生息し、本洞の固有種としてイワタメクラチビゴミムシ(島根県:絶滅危惧Ⅰ類)が確認されています。見学中は残念ながら見つけることができませんでした。
今回の地形地質体験学習会では、島根半島と宍道湖中海周辺の地質遺産を中心に見学することができました。季節や時期によっては閉鎖するスポットもあるので、興味のある方は事前に確認して訪れてみてください。
技術部 藤原 大輔
